71 しつけの基盤 ~森信三先生に学ぶ~

しつけのの基盤

  家庭教育で   学校教育で

 

◎昨日の1年生のプール開きで、私がお話しをした時、一人の男の子

 の気持ちの良い返事が一晩中頭を離れませんでした。

 低学年の子どもたちの返事は、「はーい」という感じが多いものです。

 これが、学年があがるにつれて「ハイ!」と短く切れが出てきます。

 ところが、昨日の男の子の返事は一人だけ「ハイ!!」と切れがよく、

 とびきりの元気がある返事でした。

 

◎その子の返事の余韻を持ちながら、今朝校長室へ。

 まず、手にしたのが『森信三講演集Ⅰ』でした。

 そしてスッキリしました。

 

◎この子の返事は、森信三先生が講演等で語られている 切れのある返事

 そのものだったのです。

 

◎森信三先生は、家庭でのしつけ根本原則3か条を次のように提言されています。

「第1 朝必ず親に挨拶をする子にすること。

 第2 親に呼ばれたら、必ず『はい』といって、『なあに』といわん子にすること。

 第3 はきものを脱いだらそろえ、席を立ったら必ず椅子を入れて

   出しっぱなしや脱ぎっぱなしにしない子に育てること。」

 

◎また、森信三先生は、学校でのしつけは次のように提言されています。

「学校でのしつけは、これも、朝の挨拶をほがらかにする子にすることが先ず第1で、

 次に、教室で教師に呼ばれたら必ず『ハイ』とはっきりした返事のできる子にする

 こと。そして、第3には、席を立ったら椅子を入れる子にしつけること。しかし、

 教室では椅子が入れにくいですから、その代わりに私は、しっかりと手をあげるように

 と申しています。しっかりと5本の指をピタリとそろえて、真直ぐに手をあげるように

 する。そして、挙手を俊敏にする。この挙手のしつけは教育上大変効き目が多いんです。

 パッと手をあげることが、子どもとしては『我』を断ち切る修練となるんです。

 ですから日本刀でパッと切るように、スッキリした手のあげかたをさせるんです。

 それによってダラダラした自分の『我』を切るんです。」

 

◎いかがでしょうか。

 日本刀の表現は、森信三先生がご活躍された時代を物語っており、現在とはマッチして

 いない部分もあるかも知れませんが、先生のお伝えようとしている感じはご理解いただ

 けるのではないでしょうか。

 

◎この感じだったのです。昨日のプール開きからずっと私の頭の中で繰り返されていた

 男の子の「ハイ」という返事は。

 

◎森信三先生の教えは、「時を守り、場を清め、礼を尽くす」という有名な教訓が、全国の

 学校に受け継がれています。

 今回、ご紹介した家庭でのしつけ、学校でのしつけについても、今なお、学ぶことが多い

 のではないでしょうか。

 

※森信三先生(1896年~1992年 日本の哲学者、教育者)

 

☆挨拶、返事、後始末、 私も大事にしたいと思います。

 

 

   本太小学校長 千葉 裕(ちば ひろし)

  • 2023年07月05日 07:20

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